企業主導型保育事業の財務監査が始まっています

さて、新型コロナウイルス感染症が再び猛威を振るっていますが、来月あたりから企業主導型保育事業の財務監査が始まるようで、弊社のクライアントさまにも数件の通知が届いております。

このコロナの状況下で実際に予定通りに行われるのか読めない部分もありますが、資料の準備はしておかないといけません。

事前に企業主導型保育事業のポータルサイトの「通知等」のページにある「4.指導・監査」の3行目「専門的財務監査」のページをよく読んで臨む必要があります。

その中にある「専門的財務監査資料一覧」を見ると、やはり非常に細かく書かれており、社会福祉法人と同等かそれ以上のガバナンスのクオリティが求められていることが分かります。

結局、年度完了報告は社会福祉法人会計基準の資金収支計算でなくても良くなって、減価償却費を調整額に入力したり、勘定科目名も損益計算書通りにするよう変わったりしている訳ですが、財務監査は社会福祉法人の指導監査と同じような要領で臨まないといけないなと感じます。

規程類については、社会福祉法人のモデル経理規程をもとにして応用させていく必要がありますが、発注行為に関する規程や、職務・業務の分掌規程、決裁権限の規程なども確認するようで、経理規程の細則などを整えておく必要がありそうです。

また、内部監査の規程や任命に関する事項を定めている規程とあり、これらは社会福祉法人であっても整備していないケースがあるように思います。

公印管理規程もそうですね。


また、概要資料も案外大変そうなものが並んでおります。

前年度および調査時点の法人全体の組織図ということで、作成していない法人は作成しておかないといけませんね。

役職者の所属一覧、関係会社の一覧、取引先一覧など、職員の兼務状況や関係会社との取引内容なども焦点になるでしょう。

発注一覧や契約一覧という記述もあり、こういった記録は本当にまめな総務経理スタッフがいないと、揃えるのも大変でしょうね。

今はネットで発注するようなケースもあると思いますが、どういった流れで発注の準備をして、誰が決済してクリックするのか、という視点も必要です。


また、会計伝票が必要と書かれていて、この項目にかなり細かい記述があり、読み込むと、もうこれは紙で印刷しておいた方が負担が少ないかもしれないと思います。

そもそも、社会福祉法人以外ですと、会計ソフトから会計伝票なるものは出力不可能ではないかと思います。

この点もあって、弊社はこれに対応する会計システムを導入し、会計入力サービスを開始した訳です。

いろいろ考えますと、社会福祉法人のように、会計伝票を印刷して裏にレシートを貼って時系列に保存する方法の方が良いのではないかと感じます。

そのほか、発注伺いや稟議書も確認を受けますので、とにかく以下のような心構えが大切だと思います。

・事務についてもこまめに記録を作成して保管する。

・買い物するときは必ず相見積もりをとる。(金額基準を設けて、例えば10,000円以上は相見積もりをとって上司に伺書を提出し、OKが出たものだけ購入する。やりとりはラインでも良いだろうけれど、そのスクリーンショットが必要と言われる可能性あり。ただどこまで必要なのか。)

・必ず2人以上の職員で内容を確認してから支出を行う。


事前資料だけを見て判断するとこんな感じかなと思いますが、実際にどのくらいのレベルでの管理、資料提示が求められるのかは、まだ分からないと思います。









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