福祉事業である場合の最低賃金改定と処遇改善加算の配分―基本給が最低賃金を下回る雇用契約書に従業員はサインしてくれるか
さて、2026年10月1日から、東京都・神奈川県をはじめ多くの地域で令和8年度の地域別最低賃金が発効しております。 東京都は時間額1,280円、神奈川県は1,279円で、いずれも前年から54円の引上げです。 ちなみに私の住んでいる岐阜県は1,121円ということで、56円の引き上げです。 全国加重平均は1,177円、引上げ額は56円となっており、意外と知られていないこともありますが、全ての都道府県が10月1日という訳ではなく、発効日は都道府県によって異なり、最も遅い沖縄県は12月2日です。 従業員を雇用して事業をされている法人におかれましては、新しい最低賃金に合わせて雇用契約を見直し、都道府県によってはすでに新しい契約でスタートしているところかと思います。 ところが、ちょうどこの時期に、従業員から「この契約書にはサインできません」「基本給が最低賃金より少ないのは違反ではないのですか」という問い合わせが、本社や人事部、経営幹部などに寄せられていることがあります。 弊社としてもこの点は事前に危惧しておりました。 最低賃金法の趣旨は分かるものの、できる限り基本給で最低賃金を満たす給与体系を組んでいかないと、これからの人材確保は非常に困難になる、ということは、給与が話題になったクライアントさまのところでは、訪問時にご相談に応じながらお伝えしてきたところです。 あらためて最低賃金法を振り返ると、基本給だけで最低賃金を満たす義務はございません。 基本給に加えて、毎月決まって支払われる手当も含めて1時間あたりの賃金を計算し、それが地域別最低賃金の時間額を超えていれば、法律上は問題ないことになります。 (精皆勤手当、通勤手当、家族手当、時間外・休日・深夜の割増賃金、賞与などは計算に含めません。) ただ、従業員の気持ちとしては、基本給が自分に対する基本的な評価である、という感覚があります。 基本給が最低賃金を下回っていると、違反ではないのかという思いがよぎるのも無理のないことです。 法律的に問題がないことと、従業員の満足度は、まったく別のところにあります。 ですので、事業者は最低賃金について以前よりもっと注意深く検証をしておく必要があります。 本来であれば9月までに全従業員のベースアップの確認を終えておきたいところで、こちらで最低賃金検証一覧表なるものをオリジナルでお作りしたケースもご...