処遇改善加算制度と法定福利費料率

さて、今日は処遇改善加算制度について、少し考える機会がありましたので、記事にしてみました。

介護保険サービス、障害福祉サービス、認可保育所(認定こども園、小規模保育事業含む)、企業主導型保育事業など、福祉サービスにはこれらすべてに処遇改善加算制度があります。

事業所によって算定している事業所と算定していない事業所があったり、それぞれの制度で取り扱いがバラバラになっていたりしますが、今日は、法定福利費の事業主負担分の計算について考えてみました。

どの分野の事業であっても、だいたい処遇改善加算は最初に計画書を提出して、最後に実績報告書を提出するかと思います。

介護と障害はだいたい時期は一緒ですが、保育はまた時期が全然違います。

ところで、処遇改善加算の実績報告をする際には、法定福利費の事業主負担分の増加分については、処遇改善加算を充ててよいということは、どの分野でも共通しています。

が、退職手当共済制度等における掛金については、保育園は含めて計算してよいと言われることが多いのですが、介護や障害は含まないものとするとなっています。

保育のほうは、こちらの資料の4ページの一番下のほうに書いてある訳ですが、介護のほうは、こちらの資料の2ページから3ページにかけて、(問7)に対する回答という形で書かれているところの最後の方に、(例えば退職手当共済制度等における掛金等)については含まないものとすると書かれている訳です。

それから、じゃあ法定福利費料率は何%ぐらいで考えるのかという点についても、分野によって結構違っていまして、例えば介護保険サービスや障害福祉サービスは、おそらくですが、この2009年の資料の(問7)にある、

「また、法定福利費等の計算に当たっては、合理的な方法に基づく概算によることができる。」

という一文が根拠となって、みなさん概算で報告することとなっているのかなとは思います。

このことについては、香川県のこちらの資料の3ページ13番でも、その趣旨が継続されているなということはなんとなくわかるわけです。

ただ、介護保険サービスの場合は都道府県によってローカルルールも存在するようで、例えば佐賀県のこの資料を見ますと、処遇改善手当等による処遇改善によって社会保険の等級が上がって、標準報酬月額が上がった場合のみを想定している都道府県もあるようです。

認可保育所なんかは、そもそも法定福利費料率は公定価格に反映されていて、職員には決まった金額を支給すればよいわけですが、企業主導型保育事業は異なり、実態に即して法定福利費料率を入力して報告するようにと指摘を受けて、もらった加算金額が余ってしまい、差額を返還する事態も生じています。

処遇改善加算制度の法定福利費料率一つとっても、いろんなルールがあって、いろんなことが起きていますね。

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