企業主導型保育事業の「改修支援加算」および「改修実施加算」について(令和2年度事業で内示を受けた園が対象)

さて、令和2年度企業主導型保育事業の内示については、おそらくほとんどが出そろった状態かなと思います。

弊社が直接ご支援をした12社さまについては、12社さまとも内示を得ることができ、成功率100%ということで良い年末を迎えられそうです。

ただ、内示を得たのもつかの間、今回テナント改装をして補助を受けると申請した園については、平成30年度事業までのように整備費での補助ではなく、運営費での補助を受けるルールに変わっております。

これが非常にややこしい取扱いになっており、このブログでも再三ご紹介はしたのですが、昨日、対象となる事業者さま宛に通知文書が届いたようです。

令和2年度事業においては、テナント改修工事の補助は「改修支援加算」による補助になるのですが、上限1,500万円(各種加算のことは今回考えずに書きます)の「改修支援加算」を1年あたり150万円受給し、これを10年続けて受給する形となります。

そのため、毎年の運営費の年度完了報告内容によって、この加算の取扱いが変わるのですが、これがどのような取り扱いになるか、明確に示されていませんでした。

このことについて、昨日届いた通知文書にはこのようなことが書かれておりました。

(以後は分かりやすくするために、1,500万円を1年150万円ずつ受給するイメージで書きます。必ず150万円もらえる訳ではありません。)

①開園前に借入をして、開園後に返済する借入金と利息が助成対象

 → 年度完了報告時に150万円までなら「借入金元金償還支出(支払利息含む)」を計上可能。

②開園前に借入をして、開園前に返済した借入金と利息も助成対象

 → 年度完了報告時に「改修立替支出」として「借入金元金償還支出(支払利息含む)」と合計して年間150万円までなら計上可能。

③開園前に自己資金一括で支払った場合も助成対象

 → 年度完了報告時に年間150万円までなら本部繰り入れが可能だが、「改修立替支出」として支出計上する。

④5年で借入金を完済してしまった場合も引き続き受給可能。

 → 仮に5年で借入金を完済してしまっても、6年目以降は「改修立替支出」を年間150万円まで計上可能。

⑤金銭消費貸借契約書があれば、金融機関ではなく、代表者個人やグループ法人からの借入金も可能。

 → ただし、同一法人内での借入は自己資金扱いとなる。

⑥「改修支援加算」を本部に繰り入れしてもよい。

 → ただし、必ず「改修立替支出」として支出計上すること。

   そうでない場合は本部への繰り入れはできない。

⑦児童が0名だと加算も0円となってしまう。

 → 急いで3月に開園手続きだけして児童が0名だと、最初の年度完了報告時に改修支援加算がもらえない。

⑧3月開園が間に合わない場合は翌年度に繰り越せる。

 → 無理して開園しないほうが無難。

⑨10年未満で閉所した場合。

 → 改修支援加算の全部または一部の返還もありうる。



うーん、結局分かりづらくなってしまいました。

こんなに難解になってしまって、みなさん分かりますかね??

ただ、年度完了報告時にしっかり報告できれば、とりあえず算定はできそうな内容にはしてくださったんだなとは思いました。

しかし、社会福祉法人会計基準に無い勘定科目がどんどん増えまして、もはや社会福祉法人会計基準に沿った処理が難しい状況ですね。

それから、「改修実施加算」については、初年度にまとめて入金されると聞いているのですが、そのことは特にこの文書に明記されておらず、はっきりしません。

とにかく、保育園専用通帳をつくり忘れた場合も何とか救済される内容ですし、開園前に支払っても大丈夫という内容に変わり、本部への繰り入れも「改修立替支出」と表現すれば問題なくなったので、とにかくがんばれば大丈夫そうな感じにはなりましたね。

ただ、いろいろ問題もありまして、

・業績好調な黒字経営の園は、せっかく改修支援加算がもらえても、結局ほとんど積立金に回ってしまう。

・代表者個人からの借入金の返済も補助対象ということは、1,500万円を保育園に貸し付けたら、それが満額加算の対象となって加算金を財源として個人に戻ってくる。
(別によいのか??)

・改修実施加算は初年度に満額入金なのかこれも10年分割になるのかいまいちわかりづらい。(たぶん初年度満額?)


といったこともありますね。

なにはともあれ、複雑な制度になってしまっていますが、

① 保育園専用の通帳をつくる。

② 保育園専用の通帳から返済をする。

ということを守れば、一番メリットがあるのかなと思います。

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