令和2年度 企業主導型保育事業の新規募集等の最新情報 令和2年6月30日 第6回点検委員会資料より

さて、令和2年6月30日は、企業主導型保育事業の新規申請期限でしたが、この日に第6回企業主導型保育事業点検・評価委員会が開催され、その際の資料が公表されていますので、これをもとに、今後の企業主導型保育事業の動向を予測してみたいと思います。

まずは、誰もが気になっているであろう、令和2年度新規募集の申請件数ですが、

① 第1グループ 576件

② 第2グループ 190件(6月28日時点)

ということでした。

ただ、第2グループについては、大半が6月30日にボタンを押しているとも考えられますので、最後にどれだけ申請件数が伸びたのか、気になるところです。

当初、児童20,000人分の募集ということで、1施設平均児童定員数15人ぐらいで考えると、1,300件ほどの助成決定になるのかなというお話もありましたが、今回は必要書類の段階でかなりハードルが高く、申請企業自体にある程度しっかりした事務管理部門が無いと申請書類をそろえるのも難しかったのではないかと思われます。

特に、この申請の段階で園長候補者の経歴書が必要になるというところで、1つの企業がやみくもにたくさん申請をすることをできないようにして、認可保育所の公募に近い形態になったこともあって、申請件数は伸び悩んだのではないかと考えられます。

しかしながら、無理をして児童20,000人を増やすという訳ではなく、審査を通過できる水準の申請内容でないと内示も助成決定も得られない方針であることから、目標に未達という可能性も考えられます。


さて、今後の流れについては、第6回企業主導型保育事業点検・評価委員会の議案資料を読めば書いてありますが、第1グループについては9月から順番に内示を出す予定のようですので、思ったより早くヒアリングの機会があるかもしれません。

ヒアリングについては、認可保育所の公募ですと、当然、申請者が役所を訪問してそこで回答する形をとることが大半なのですが、今回は新型コロナウイルス感染症の影響もあるでしょうし、そもそも件数が多いことから、電話によるヒアリングになるのか等、方法についても気にかかるところです。


そのほか、新規募集以外の情報も読み解いていきますと、事業譲渡案件が17件ほどある、有償による事業譲渡については、差益を得ていない場合は財産処分手続きをふんでいけば納付を求めない可能性もある、といった情報もあったりします。

そして、既存の園については、やはり指導監査の情報が気にかかるところで、弊社のクライアントさまからも、3カ月ほど前から、指導監査は一体いつから開始されるのかといったご相談もありましたが、どうやら8月から本格始動するようです。

また、指導監査については、新たに「財務監査」や「労務監査」もスケジュールが立案されており、企業主導型保育事業の会計に関する監査、労務管理に関する監査も開始すると思われます。

監査のチェックリストも改めて公開されていますが、やはり経理については社会福祉法人会計基準に準拠するようにという表現は変わっておりませんので、適正な資金管理、区分経理が最も重要であると考えます。

本部繰入や積立金の取扱いについては、問い合わせた相手の担当官によって回答が食い違うことがあって混乱することもありますが、基本的には社会福祉法人会計基準を理解し、これに沿って処理をしていればまず問題ないと考えます。

労務監査については、人員配置基準との兼ね合いや、処遇改善加算の制度運用についても確認を受けると思います。

処遇改善加算については、当社へのご相談も非常に多いのですが、シンプルに考えていただければ、硬直的になるものの安定して運用はできるはずなので、できる限り毎月しっかりと把握・管理をして、本来の目的である保育士や保育従事者のモチベーションを高めるために活用ができれば理想的だと思います。

今はピラミッド型の組織図を採用する企業ばかりではありませんので、なかなか処遇改善制度がなじまない事業者さまもあると思いますが、うまく活用して良い労働環境を構築し、ゆとりのある人員配置を確保して保育の質を高める取り組みに時間をたくさん使えるようにできると良いですね。


児童育成協会の西日本支社については、今年度中の立ち上げは難しそうですが、職員を増員し、月次報告審査や指導監査の外部委託なども行っていくようですし、システムについても来年度から一新する可能性もあるようですので、日々努力をしながら、弊社としてはクライアントさまの園の力になれるように、精一杯支援をしてまいりたいと思います。

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