企業主導型保育事業の完了報告について(資金収支計算による決算報告)
企業主導型保育事業については、かねてから社会福祉法人会計基準に準拠して会計を行うことということで、そのように進めてきておりますが、ここにきて、社会福祉法人会計基準とは異なる取り扱いも散見されるようになり、これですと企業主導型保育事業会計と言いますか、特有の会計基準になっていくのかなと感じております。
社会福祉法人会計基準と企業主導型保育事業の完了報告とで異なる勘定科目等の取り扱いのうち、弊社にお問い合わせが多いものなどをご紹介していきたいと思います。
・企業自己負担相当分
社会福祉法人会計基準にはこのような科目は存在しませんが、どうやら赤字の園については、この勘定科目を入力して、当期資金収支差額合計を0円してほしいということのようです。
社会福祉法人会計基準でいえば、サービス区分間繰入金収入や拠点区分間繰入金収入、事業区分間繰入金収入にあたる内容かなと思います。
当期資金収支差額合計金額を0円にする理由は、単年度決算だからだろうと思います。
毎年運営費の申請をして、助成決定を得るのはそのためです。
内部留保ができないので、0円になると。
ただし、積立金計上は認められているというお話かと思います。
・借入金元金償還支出
そもそも社会福祉法人会計基準においては、短期借入金等流動資産や流動負債の増減については、資金収支計算の対象外になりますので、これは長期借入金の返済金額のことを指すかなと思います。
単純に長期借入金といっても、社会福祉法人会計基準ですと、設備資金借入金と長期運営資金借入金等があるかなと思います。
今回、不思議なことに、借入金元金償還支出については、整備に係るものは元金も利息も計上できるようですが、運営にかかるものは利息のみ計上してよいようで、判定欄については △ とあるので、無条件にすべてOKとも取れない感じがします。
本来、借入金元金償還支出を計上するのなら、借入金を入金したときに借入金収入を計上すべきかなと思うのですが、単年度事業であるがゆえに、そういった感覚が無いようです。
よくわからないですが、計上できるなら計上しようという園が増えつつあります。
これも時限措置になるのかなと思われ、今年までは良いけど来年はダメという可能性も残されているように感じます。
・交際費支出
社会福祉法人会計基準においては、テンプレートでこの勘定科目はございませんし、そもそも交際費は認められないという自治体ばかりでしょう。
ただ、企業主導型保育事業については、交際費支出の計上が認められることになったようです。
おそらくですが、他の園を見学させてもらうときの手土産などを想定しているのかなと思いますが、社会福祉法人会計基準に沿って処理してきた弊社といたしましては、まあ違和感はありますね。
だいたいこのような感じでして、あとはやはり積立資産(積立金)の取り扱いが気にかかるところです。
例えば、認可保育所ですと通知文書が存在しまして、保育所施設・設備整備積立金を使って増改築における土地取得をしたり、備品等購入積立資産を使って登園バス以外の行事用車両を購入できたりするわけです。
(管轄自治体の事前の許可が必要なので、絶対できるという訳ではありません。)
じゃあ企業主導型保育事業における積立資産はどのような取り扱いになっているのでしょうか?
少し通知文書を読み込んでみました。
やはりどうしても気にかかるのは、一番下にありますが、保育所施設・設備整備積立金を新規の園の創設の自己資金に充てられないというところです。
ここは認可保育所と大きく異なります。
勘定科目名称は同じですが、認可保育所と企業主導型保育事業とで取り扱いは異なるということです。
そのため、テナント改修で整備費補助を受けた園が、同じ場所や隣地で新築建替をしたい、園庭を整備したいなど、既設の園に関わるなんらかの予定がある場合には、この積立金を計上してもよいかなと思いますが、そうでない場合は、認可保育所と異なり、保育所施設・設備整備積立金に積立をしてしまうと、何にも使えない積立金が貯まっていくことになります。
これは、実質の内部留保ではないのかといった問題も考えてしまう訳ですが、原則論でいえば、例えば5年後に園庭工事をする、これに500万円かかるので、毎年100万円を積み立てるというように、積立金計画があってしかるべきというお話なのではないかと思うわけです。
たまに、当期資金収支差額合計が1,580,605円になったので、この金額を積み立てるというようなお話を聞くことがありますが、これですと繰越利益剰余金となんら変わらないですし、積立金というよりは、黒字を別の通帳に移しておいたともとられてしまうリスクは0ではないでしょう。
細かいことを言いすぎかもしれませんが、積立金は積立金であり、繰越利益剰余金ではないと思いますので、特に企業主導型保育事業は単年度収支決算だということなので、取り扱いには十分な注意が必要だと思われます。
ちなみに、どんどん積み立てをしていったとして、例えば積立金の上限額は無いのかとか、認可保育所のように、高額累積金ということで運営費が減算されるのかとか、そういったことも可能性としてはあるのではないかと思います。
最後に、実は消費税込みの金額で完了報告をしないといけないので、その点も重要です。
消費税仕入控除税額報告をするということは、消費税込で収支報告をしないと、はっきり言って損するでしょうし、正しい処理にならないですよね。
企業主導型保育事業はとても良い事業ですが、会計処理もなかなか複雑ですね。
社会福祉法人会計基準と企業主導型保育事業の完了報告とで異なる勘定科目等の取り扱いのうち、弊社にお問い合わせが多いものなどをご紹介していきたいと思います。
・企業自己負担相当分
社会福祉法人会計基準にはこのような科目は存在しませんが、どうやら赤字の園については、この勘定科目を入力して、当期資金収支差額合計を0円してほしいということのようです。
社会福祉法人会計基準でいえば、サービス区分間繰入金収入や拠点区分間繰入金収入、事業区分間繰入金収入にあたる内容かなと思います。
当期資金収支差額合計金額を0円にする理由は、単年度決算だからだろうと思います。
毎年運営費の申請をして、助成決定を得るのはそのためです。
内部留保ができないので、0円になると。
ただし、積立金計上は認められているというお話かと思います。
・借入金元金償還支出
そもそも社会福祉法人会計基準においては、短期借入金等流動資産や流動負債の増減については、資金収支計算の対象外になりますので、これは長期借入金の返済金額のことを指すかなと思います。
単純に長期借入金といっても、社会福祉法人会計基準ですと、設備資金借入金と長期運営資金借入金等があるかなと思います。
今回、不思議なことに、借入金元金償還支出については、整備に係るものは元金も利息も計上できるようですが、運営にかかるものは利息のみ計上してよいようで、判定欄については △ とあるので、無条件にすべてOKとも取れない感じがします。
本来、借入金元金償還支出を計上するのなら、借入金を入金したときに借入金収入を計上すべきかなと思うのですが、単年度事業であるがゆえに、そういった感覚が無いようです。
よくわからないですが、計上できるなら計上しようという園が増えつつあります。
これも時限措置になるのかなと思われ、今年までは良いけど来年はダメという可能性も残されているように感じます。
・交際費支出
社会福祉法人会計基準においては、テンプレートでこの勘定科目はございませんし、そもそも交際費は認められないという自治体ばかりでしょう。
ただ、企業主導型保育事業については、交際費支出の計上が認められることになったようです。
おそらくですが、他の園を見学させてもらうときの手土産などを想定しているのかなと思いますが、社会福祉法人会計基準に沿って処理してきた弊社といたしましては、まあ違和感はありますね。
だいたいこのような感じでして、あとはやはり積立資産(積立金)の取り扱いが気にかかるところです。
例えば、認可保育所ですと通知文書が存在しまして、保育所施設・設備整備積立金を使って増改築における土地取得をしたり、備品等購入積立資産を使って登園バス以外の行事用車両を購入できたりするわけです。
(管轄自治体の事前の許可が必要なので、絶対できるという訳ではありません。)
じゃあ企業主導型保育事業における積立資産はどのような取り扱いになっているのでしょうか?
少し通知文書を読み込んでみました。
やはりどうしても気にかかるのは、一番下にありますが、保育所施設・設備整備積立金を新規の園の創設の自己資金に充てられないというところです。
ここは認可保育所と大きく異なります。
勘定科目名称は同じですが、認可保育所と企業主導型保育事業とで取り扱いは異なるということです。
そのため、テナント改修で整備費補助を受けた園が、同じ場所や隣地で新築建替をしたい、園庭を整備したいなど、既設の園に関わるなんらかの予定がある場合には、この積立金を計上してもよいかなと思いますが、そうでない場合は、認可保育所と異なり、保育所施設・設備整備積立金に積立をしてしまうと、何にも使えない積立金が貯まっていくことになります。
これは、実質の内部留保ではないのかといった問題も考えてしまう訳ですが、原則論でいえば、例えば5年後に園庭工事をする、これに500万円かかるので、毎年100万円を積み立てるというように、積立金計画があってしかるべきというお話なのではないかと思うわけです。
たまに、当期資金収支差額合計が1,580,605円になったので、この金額を積み立てるというようなお話を聞くことがありますが、これですと繰越利益剰余金となんら変わらないですし、積立金というよりは、黒字を別の通帳に移しておいたともとられてしまうリスクは0ではないでしょう。
細かいことを言いすぎかもしれませんが、積立金は積立金であり、繰越利益剰余金ではないと思いますので、特に企業主導型保育事業は単年度収支決算だということなので、取り扱いには十分な注意が必要だと思われます。
ちなみに、どんどん積み立てをしていったとして、例えば積立金の上限額は無いのかとか、認可保育所のように、高額累積金ということで運営費が減算されるのかとか、そういったことも可能性としてはあるのではないかと思います。
最後に、実は消費税込みの金額で完了報告をしないといけないので、その点も重要です。
消費税仕入控除税額報告をするということは、消費税込で収支報告をしないと、はっきり言って損するでしょうし、正しい処理にならないですよね。
企業主導型保育事業はとても良い事業ですが、会計処理もなかなか複雑ですね。
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