企業主導型保育事業の実施機関は公益財団法人児童育成協会に決定しました●安藤経営 安藤大輔

本日、ようやく企業主導型保育事業の実施機関が公益財団法人児童育成協会に決定いたしました。

内閣府ホームページ 企業主導型保育事業等
 

当初は、公益財団法人児童育成協会に代わる実施機関を選定するというような話だったかと思うのですが、フタを開けてみれば結局2社しか応募しておらず、そのうちの1社が公益財団法人児童育成協会ということで、そのまま継続となり、すぐに新規募集の件についても、以下のように情報が公開されました。


※ 公益財団法人 児童育成協会 企業主導型保育事業ポータルより


当社は、当初から、次の申請は5月末期限になるかなと予想しているのですが、だいたいそのぐらいになってくるのかなとは思いつつ、30年度事業や31年度事業の審査が遅れていることから、もしかしたら7月末期限とか、あるいは2段階に分けて第1次募集は7月末、第2次募集は12月末というように、複数回の公募となるのかなとも考えております。

また、今までとは申請方法も変更され、以下のようになるのではないかと予想しております。

・審査が2段階に分かれるのではないか。
 1次審査で財務内容と立地、児童ニーズなどを審査し、2次審査で建物設計や工事費などを見るなど。

・テナント改修の整備費補助は無くなり、運営費に減価償却費加算を設けて、月割りで補助する形に変更するのではないか。

そのほか、「企業主導型保育事業の円滑な実施に向けた検討委員会」や「企業主導型保育事業点検・評価委員会」の議案資料など読んで、いろいろ予想はしておりますが、まずは公益財団法人児童育成協会が30年度事業報告を内閣府に行い、続いて31年度事業報告の準備をしていきながら、新規募集の公募準備を行うことになると思います。

31年度完了報告が令和2年4月10日までということで、会計事務所で働いていた自分の経験からしますと、まああり得ない期限設定だなあとは思っております。

特に社会福祉法人ですと、6月の定時評議員会で承認された決算報告書でないと、正式な決算とは言えませんので、仮決算を児童育成協会に提出するような、そんなイメージになってしまいますので、年度完了報告の質が下がることが容易に予想されます。

できれば前年度と同じように、6月末までという期限設定をしていただくなど、ご配慮願いたいところですが、難しいでしょうかね。

前年度が6月末まで、今年度が4月10日まで、このようにルールをコロコロ変えるのも良くないことです。

一応、実施団体の公募の状況ですが、公益財団法人児童育成協会にとってはこのようにそもそも基本要件を満たしていない法人との戦いということで、私からは何も申し上げられませんが、基本要件が厳しすぎた、つまりは応募しようにも誰も応募できなかった公募であると感じますが、個人的にはノウハウを蓄積してくださっている公益財団法人児童育成協会が継続することについては、安心感はあります。

今までの公益財団法人児童育成協会の問題点(というよりは内閣府の問題点?)は、このやりとりでおおよそのことは分かります

児童育成協会は公益財団法人ですので、公益認定を受けている財団法人であり、そういった意味でもこれを維持するだけでも非常に大変な事務管理がある訳ですが、その中でこの企業主導型保育事業という大きな事業を会計区分をして管理をしていくことについては、相当な苦労があると思いますし、公益財団法人児童育成協会が言っているように、やはり400名ぐらいの人員体制で臨まないと、審査が間に合わないと思います。

手始めに大阪市に関西ブロック支社ができるようですが、このようにブロック分けをして管理をしていかないと追いつかないと思いますし、現状、正社員が20名であとは派遣社員や有期雇用契約という体制で審査と指導監査をしていることについても、酷すぎるように感じます。

結局は、このような附帯条件を付して公益財団法人児童育成協会が選定された訳ですが、今後もがんばってこの事業の支援業務に取り組んでいきたいと思います。


さて、この先のことを前向きに考えていきますと、あと児童約25,000人分の募集が行われるということ、公益財団法人児童育成協会が作成しているこの資料から、東京、大阪、福岡、札幌、仙台、広島に拠点を設ける予定ということは、これらの地域は選定率が高まるのかな?ということなども考えられますが、とにかく重要な点としましては、当たり前に守らないといけない法令のこと以外でいきますと、

・待機児童がいるか
・申請企業の従業員数は多いか
・計画地がある市町村との事前協議が密に行われているか
・児童1人あたり工事単価が適正かどうか
・財務基盤がしっかり安定している事業者か
・一般事業主か保育事業者設置型か(事業経験5年の縛りに関する捉え方)

といったところが重要になってくると考えます。

とにかく、6月から全く動きがなかった新規募集の情報が、少しだけですが公開されましたので、一歩前進かと思います。

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