令和元年度および2年度の企業主導型保育事業の整備費募集について

さて、今月の頭に令和元年度の企業主導型保育事業助成要綱および助成要領、留意事項通知などが発表され、令和元年度の運営費についてはようやく全容が明らかになりましたね。

基本単価や加算は軒並み増額改定されており、医療の診療報酬や介護報酬、障害福祉サービス等報酬が総じて減額改定の傾向にあるなかで、企業主導型保育事業は安定した増額改定であるところに、国家予算の配分方針を感じるところでございます。

特に企業主導型保育事業の処遇改善加算I はかなりの増額改定になりますので、この冬の賞与の検討時期において、今までの職員への配賦金額や、冬季賞与への上乗せ金額を急いで再検討しなければならないでしょう。

また、令和元年度の助成要綱等であるにもかかわらず、この時期に発表されたため、消費税の税率が上がった10月からこの金額になると言っている方がおりますが、私は年度の初めである4月からの分が全て増額になると考えております。

こうした重要な事項が特に説明されないまま助成要綱等が発表されていることについては、もう慣れましたので私は良いのですが、もう少し分かりやすい説明が必要なのではないかと思います。
( 令和元年11月13日に平成31年4月から令和元年9月までの単価表および加算金額のお知らせが事業者に配布されました。 )

10月から単価が変わるというようなことを断定的にいろいろなところに拡散して伝えてしまっているような方には、一度、いつから単価が変わるのかしっかり確認を願いたいところです。

ただ、本当に4月からの単価が変わるとなると、

①月次報告

②事業変更申請後の月次報告再申請

というように取り組んでしまった園の場合は、さらに

③令和元年度助成要綱の金額による再申請(月次報告で行うのか年度完了報告で精算するのか?)

という事務がまた発生する訳です。

こうならないためにも、年度が始まる前に次年度の助成要綱等を発表していただきたいところです。

診療報酬や介護報酬・障害福祉サービス等報酬と同じように、2年とか3年とかで単価改定するスパンでないと、はっきり申し上げて行政や実施機関も大変ですよね。


さて、令和元年度の運営費については、こうした増額改定のほか、運営支援システム導入加算という、IT補助金にそっくりな加算の誕生がトピックになるかとは思いますが、整備費のほうはどうなるのでしょうか?

実はあまり気がつかれていないようですが、内閣府のウェブサイトに大きなヒントが隠されておりました。

内閣府 企業主導型保育事業等 というウェブサイトの中にある、実施機関の公募の補足資料の 公募に関するFAQ  がそれです。

みなさん、企業主導型保育事業のポータルサイトはよくチェックしていらっしゃるのですが、こちらの内閣府のウェブサイトは見過ごしがちかと思います。

このFAQの質問④を見ていただくと、内閣府が新規施設の助成決定スケジュールをどのように想定しているかが分かると思います。

多くは申し上げませんが、

・令和2年度末( 令和3年3月末 )までに児童25,000人分の助成予定
( 仮に1施設の定員が20人とすると約1,250施設 )

・年末年始に児童育成協会の後を継ぐ新たな実施機関の選定結果発表

・令和2年度第一四半期( 令和2年4月から6月 )に新規施設の審査開始
( 一度に25,000人分募集するかどうかは未知数 )

・新規施設の整備費事業については全て現地調査を行う。
( 不正防止の観点から、今までの写真だけの審査ではなく、建物完成後に必ず現地を見る。)

・審査担当は100名程度。

・監査担当は30〜40名程度。

・助成決定予定の児童25,000人分の募集に対して、50,000人分くらいは応募があるだろうとの想定。

といった感じです。

あまり揚げ足とりはしたくないですが、業務量の見込みが甘いように思いますのと、これが予定どおり進む保証がないことが心配の種かと感じます。

・審査が厳しくなり、応募要件のハードルもかなり上げているのに、児童50,000人分もの応募がくるのか?

・そもそも公募の結果、新たな実施機関が予定通り選定されなければ、想定スケジュールが全て遅れていくと思いますが、そのぐらい厳しい状況なのではないか。

・今の審査担当が80名程度なのではないかと思いますが、それでも「30年度整備費実績報告」「30年度運営費年度完了報告」「31年度事業変更申請」「30年度消費税報告」などが滞っているのではないか。100名程度で足りるのか。

・今の監査担当が18名程度なのではないかと思いますが、令和元年度の指導監査や午睡チェックがほとんど行われていないのではないか。30〜40名程度で全国エリアをカバーするだけの人数に足りるのか。( 結局外部委託?)


このように、まだまだ不安材料がたくさんあるように思います。

せっかく児童育成協会さんががんばってきているので、正直そのままがんばってもらうのが安心のように思いますが、一体どうなるでしょうかね?

余計なことも申し上げてしまいましたが、少しずつではありますが進んできているようです。

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