令和元年度以降の企業主導型保育事業の新規募集に関する予測

平成28年度に始まった企業主導型保育事業は、いよいよ令和元年度で4年度目を迎えるわけですが、このところ当社には、

「令和元年度の募集は一体いつになったら始まるのでしょうか?」

というお問合せが増えてきております。

結論から申し上げますと、公益財団法人児童育成協会の次に企業主導型保育事業を管理する団体が決定しないと、令和元年度の助成要綱が作成されないので、まずは公益財団法人児童育成協会の後をどのような法人・団体が引き継いでいくのかというほうが重要だと言えます。

ここまで公益財団法人児童育成協会も職員を採用したり、職員数が増えるたびにオフィスを引っ越したりして一生懸命対応されたと思うのですが、企業主導型保育園が4,500軒を超えてきて、さすがに一つの法人では仕事量的に対応が難しくなってきているのではないかと予想いたします。

今の公益財団法人児童育成協会が発表している職員数を見ると、どう考えてもオーバーワークになると思います。

指導監査についても、前年度まで委託していたパソナとは委託契約が解消されており、はっきり言って全く指導監査には行けないのでは、特に監査に行かないと行けない園ぐらいにしか指導監査には入れないのではないかと思います。
(事業譲渡があったり、メディアでネガティブな報道がなされた園など)

毎月の運営費審査業務に加えて、整備費の審査、事業変更の審査、そして今全国の企業主導型保育園が取り組んでいる年度完了報告の審査などの量を考えると、単純計算をしても全く終わらない気がします。

こうした状況のなかで、新規事業の募集というのは実質無理だと思いますし、公益財団法人児童育成協会のあとを継ぐ団体が募集を告知するだろうことを考えますと、結局は最初から2か年事業で募集するか、令和元年度は募集をせず、令和2年度のみの募集とするかなど、国の予算にも密接に影響を受けながら、進んでいくものと予想します。

結局、待機児童対策、少子化問題の解決といったところがキーワードになり続ける以上は、保育園、学童保育といった事業がクローズアップされ続けると思うのですが、今回のこの企業主導型保育事業は、個人的には保育分野にいろいろな企業の参入が進んで、本当に前向きで真面目な園もいっぱい増えて、とても良かったのではないかと感じております。

一部の報道で問題のある園もメディアに取り上げられましたが、当社のクライアントさまの園は本当に新しい発想でいろいろな保育を実践していて、関わっていてとても勉強になります。

当然、今までの認可保育園、認可外保育施設の歴史があってこそのものだと思いますが、新たな融合が次々に生まれていて、こうして子どもを大事にしていく環境が増え続けると良いなと思っております。

実際、企業主導型保育園をつくったことで、どんどん出産・育児をする保護者が増えている企業もあり、産休や育休、復帰後のキャリア、育児休業給付や社会保険料免除など、育休の活用ができてきている企業もあります。

ただ、認可保育園の厳しい労働環境を見ていると、企業主導型保育園とのギャップはどうしても感じますので、制度による縦割りの弊害は起きないようにしていただきたいと感じるところです。

介護、障害分野は、認可保育園のようにそこまで厳しく給与格付けについて行政の指導を受けることはありませんが、認可保育園については、会計の弾力運用の問題もありますが、もう少し給与格付けも弾力的に行えるようにしないと、保育士の流出が止まらないのではないかと感じております。

一朝一夕でできるようなことではないと思いますが、今後も制度の動向を見て、自分なりに学習をし、クライアントさまのご発展に寄与していきたいと思います。

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