企業主導型保育事業の事務手続きの変更点など(年度完了報告や運営費申請など)

平成30年度企業主導型保育事業については、4月8日あたりから、児童育成協会が対象事業者のみにいろいろな文書を交付しております。

当社が把握しているだけでも、以下の3種類の通知文書がございました。

① 平成30年度整備費助成決定の扱いについて (平成31年4月8日交付)

② 平成30年度運営費年度報告及び完了報告ならびに処遇改善加算の実績報告について (平成31年4月8日交付)

③ 平成31年度企業主導型保育事業(運営費)助成申請について (平成31年4月10日交付)

児童育成協会の動きが非常に早くなった気がしましたが、これだけ一気に文書が届くと、事業者さまも混乱しているのではないかと思います。

こうした文書については、探してみたのですがポータルサイト上にはアップされていないような気がしますので、対象事業者しか見ることができないのではないかと思います。

それぞれ、非常に重要なことが書かれているのですが、なかなかすべて読み込んで正確に把握することが困難な場合もあるかと思いますので、概要だけでもお知らせできればと思います。



① 平成30年度整備費助成決定の扱いについて (平成31年4月8日交付)

  こちらはA4サイズ1枚のシンプルな内容です。

  当初から、平成30年度内に少しでも工事に着工していないと、助成決定が取り消されてしまうと言われておりましたので、みなさま非常に急いで年度末に何とか少しだけ着工して現場写真を撮影し、工事進捗報告書を提出して実績報告したかと思うのですが、なんと、結局は平成30年度内に着工できなかった場合でも、平成31年度に着工を予定しており、継続的な取扱いを希望する場合は、平成30年度内に着工していなくても大丈夫というお知らせです。

 それが平成31年度に入ってから、4月8日に周知され、平成31年度に継続的な取扱いを希望する場合でも4月10日までに実績報告は必要という内容でした。

 わずか2日しかありませんでしたが、対象になられた事業者さまは間に合ったのでしょうかね。。

 平成31年3月25日にギリギリで助成決定がおりた事業者さまもあったのだろうと思いますので、そういった事業者さまへの救済措置なのかなと感じました。



② 平成30年度運営費年度報告及び完了報告ならびに処遇改善加算の実績報告について (平成31年4月8日交付)

 こちらについて、当社は平成28年度からこの企業主導型保育事業はご支援しておりますので、事務の内容は分かっているのですが、うれしいことに報告期限が4月末から6月末に延長されたようです。

 これも決算内容の公表に連動する動きかと思いますね。

 もともと4月末というのも無理な話ではないかと感じる方も多かったと思いますが、税務申告の感覚でいけば5月末期限でしょう。

 実は社会福祉法人の決算も、平成29年の社会福祉法改正に伴い、6月末までに延長されたのですが、それと同じ感覚なのではないかと思います。

 6月末までに延長された代わりに、決算内容の公表に関するなんらかの事務が発生する可能性もあるのではないかと思います。

 必要書類や操作方法などは文書に書かれているとおりですが、今までとの違いは、3月分は4月10日までに月次報告しないといけなかったという点です。

 これも4月8日にお知らせしている訳ですから、

「昨年度と同じで3月分は4月末の決算報告までに処理すればよいだろう。」

と考えていた園があったら、結局2日で急いで事務をされたことかと思います。

もしかして3月分の月次報告を忘れている園はございませんよね。。。

 
 ただ、この資料でしっかりと公表された基準があり、これは大きいことだと思います。

・ 週7日未満開所が週6日未満開所になる場合の取扱い

  ニーズが無いという理由で土曜日を休んだ日がある月が2カ月続き、3カ月目もそうなった場合は3カ月目から「週6日未満開所」となって減算対象になると明確に書かれました。
  認可保育所と違うではないかという声も聞こえてきそうですが、しっかりとルールが決まったようですね。

・ 収入科目や支出科目、積立資産についての解説が公表されました

  この点は当社は社会福祉法人会計基準は分かっていますので、理解したうえでご支援や助言をしていたのですが、企業主導型保育事業特有の勘定科目について、ちゃんと書かれていました。
  社会福祉法人会計基準でいきますと、職員給与支出や非常勤職員給与支出となるものが、さらに細かく「連携推進加算職員給料支出」「非常勤連携推進加算職員給料支出」に区分して報告しないといけなかったり、賃借料加算を算定している場合は、当然対象となる賃借料を計上しないといけなかったり(当社は「土地・建物賃借料支出」として明確に計上するとよいと考えております。)したのですが、ようやくちゃんと書かれてました。
  またビジネス超保険など、本社で一括で口座引落されてしまう賠償責任保険も漏れないように計上するよう書かれていたり、会計事務所や弁護士事務所などへの支払いについても、明確に区分されていて保育園のみにかかったと分かる場合は計上できると書かれていたりと、詳細に説明も加えられました。
  個人的に違和感しかないですが「企業自己負担相当分」という勘定科目についても、説明が添えられております。

  そのほか、積立資産についても明確にルールが書かれましたので、当社が何度か要望として申し入れていたことがしっかり書かれていて、大変助かりました。

  が、「保育施設・設備整備積立資産」ついては、対象施設に対しての助成であり、今後計画している新しい施設設置の資金には使えないという点は、意味は理解できるのですが、なかなかつらいところです。

  平成31年度からは保育事業者設置型については事業経験5年の縛りが発生しますし、考え方として、もうすでに企業主導型保育園を運営しているところはこれ以上増やすのは難しくなるのかな、新たに始めたいという企業なら新規参入できるようにするのかな、というイメージを持っております。


 ちなみに年度完了報告は4月11日からできるというような書きぶりですが、おそらく3月分の月次報告が承認されないと作業できないようにするのではないかと考えます。

 そのうちバージョンアップされてできるようになるかもしれませんが。

  
③ 平成31年度企業主導型保育事業(運営費)助成申請について (平成31年4月10日交付)

 平成31年4月11日より、平成31年度の運営費申請ができるようになっております。

 これも大きな改善点で、以前は運営費も募集期間にしか申請できなかったので、開園した園から順次申請できるのは良いですね。

 以前から運営している園にとっては、すでに継続申請をして概算交付申請ができる状態ですし、事業変更申請もできる状態なので新たに加算を算定したりということもできるかと思いますが、平成30年度の整備費で整備した園は、これから急いで運営費申請に取り組むことになろうかと思います。

 まずは管轄行政に設置届を提出し、その流れで運営費の申請ができようにするとよいですね。

 この文書の一番最後のページに、運営費申請に必要な書類のチェックリストがありますから、必ずこれを確認して取り組むと良いと思います。


 概要だけ書こうと思ったのですが、結局こんなに長くなってしまいましたね。。。

 企業主導型保育事業はまだまだ新しい制度ですので、ルールが変わった、基準が変わったということについて気をもむよりも、とりあえず前に進みながら変化に対応していくほうがよいと感じます。

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