企業主導型保育事業の近況について

先月末で平成30年度の企業主導型保育事業の助成申請が終了しましたが、その後どのような流れで審査が進み、助成決定がなされていくのか気になるところかと思います。

また、すでに運営をしている企業主導型保育施設におかれましては、運営費がいつ入金されるのか、資金繰りについてどうなるのか早く知りたいという施設も多いのではないでしょうか。

これらの情報については公式発表がないため、コンサルタントとして支援する立場としましても、早く正式な情報を得たいと思っております。

現状から考えますと、先月末に新規申請をされた事業者さまについては、2カ月ほどで優先順位が決定されてくるのかなと思いますが、この2カ月ほど経過したときに、おそらくですが内示のようなものが出るのではと予想をしております。
( あくまでも予想です )

内示というものは、例えば特別養護老人ホームの開業事務を行ったことがある方なら分かるかと思いますが、助成決定をする前にほぼ助成決定しますというような、そのようなものになります。

埼玉県の特養の内示施設一覧(参考)

くどいかもしれませんが、あくまでも私の予想に過ぎませんので、外れたら申し訳ありません。

内示という言葉の意味は、「うちうちに示すこと、非公式に示すこと」というような意味になりますので、なんだか違和感もありますが。。


新規申請された案件の中には、新築案件もあるでしょうし、新築案件となりますと工期の関係上最低でも6ヶ月は必要なのではないでしょうか。

埋蔵文化財がある土地だったりするとさらに1~2カ月延びますね。

時間が非常にタイトです。


それからすでに開園している施設について、基本単価は順番に入金されてきているかと思いますが、今入金されている金額は29年度の単価であり、あくまでも暫定の金額になるので、30年度の単価との差額については、いつ入金されるのか、また加算の金額についてもいつ入金されるのか、この点が中小企業さまにとっては非常に気になるところではないでしょうか。

今回の企業主導型保育事業は加算のウェイトが非常に高いため、賃借料加算や連携推進加算、保育補助者雇上強化加算や病児保育加算などがいつ入金されるのかが重要です。

当初はこれらの加算も30年度の年度完了報告時に対応するということだったかと思うのですが、そうなると平成31年6月か7月ごろまで入金されないのではないか、という状況なのかもしれないと思っております。

これは非常に大変で、内部留保が十分になる企業さまなら良いのですが、ある程度の余裕がある企業さまであっても資金繰りがショートしかねないと思います。

はっきり言ってこのあたりのことは私の予想にすぎませんが、常に最悪を想定して考えていきますと、本当に平成31年6月や7月まで加算が入金されないのであれば、資金調達が必要でしょう。

社内の他部門から拠点区分間借入金を実行できるならよいですが、そうでない場合は助成決定通知などをもって金融機関に相談する必要も生じるかと思います。
( もし内示が出ればそれでも相談には乗ってくれるかも? )

当社はこうした資金繰りになるということはある程度はあらかじめ想定をしたうえでクライアントさまにもご説明をしながら取り組んでおりますので、一気に4つも5つも申請するのはやめたほうが良いとお話はさせていただいておりました。

理由は明白で、1つの園だけ申請する場合でも運転資金が相当必要ですから、4つ、5つの園を同時に申請するとなると、単純に4倍から5倍の資金が必要になるからです。

これでは本業を圧迫しますから、そもそも本業の福利厚生のための事業である企業主導型保育事業という位置づけから考えると全く異なった事業になってしまいます。

企業主導型保育事業はあくまでも福利厚生の充実を図るために整備するタイプの事業であり、黒字は返還か積立となり、積立については協会の許可がないと取り崩せない、弾力運用の基準もなく、30%ルールもないことから考えますと、純粋に社員のために整備をし、運営をしていただくことが結果としてよい結果に結びつくと考えます。

当然ボランティアではございませんので、他の福祉事業と同様、安定して継続した事業運営をしていくためには利益が必要です。

保護者さまの人気と信頼を集めて児童を確保し、十分な人員体制で安全、安心な保育サービスを実施していくことが最低条件となってくるのではないでしょうか。

( この記事の内容についてはあくまでも私の予想の範疇の事柄が含まれておりますので、その点はご了承くださいませ )

平成30年8月10日 
文責:株式会社 安藤経営 代表取締役 安藤大輔

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