企業主導型保育事業 2025年度完了報告の分析(多かった指摘内容等)
さて、企業主導型保育事業の2025年度(令和7年度)運営費の年度報告及び完了報告について、児童育成協会からの差戻しが9月から10月にかけて一巡しております。
弊社が関与している園の指摘の内容を1件ずつ分析してみたところ、分類別の件数はグラフのとおりです。
多い順に、
①積立資産の専用口座通帳と理由書に関するものが11件
②処遇改善等加算の実績と理由書に関するものが9件
③雑費・手数料・賃借料などの経費内訳の説明を求めるものが9件
④防犯・安全対策強化加算の支払証憑に関するものが6件
となっております。
この4分類だけで全体の73%を占めております。
つまり、差戻しの大半は「園ごとに違う特殊な話」ではなく、どの園にも共通する4つの論点に集中しているということです。
ひとつずつ中身を見てみます。
①の積立資産については、「積立資産明細の期末残高合計金額と一致する専用口座の通帳の写し(表紙・1ページ目の見開き・残高の印字を確認できるページの3点セット)」を求める文面がほぼ定型になっております。
通帳の表紙が抜けている、利息の分だけ残高が合わない、資金移動がまだで理由書を出したが法人の公印がない、という3つのパターンがほとんどです。
②の処遇改善等加算については、「副主任保育士等・職務分野別リーダー等の賃金改善額が加算基準額を下回っておりますので、理由書のご提出をお願いいたします」という指摘が、2024年度から特に増えております。
理由書には日付、宛先、設置法人名、保育施設名、代表者名、公印、下回った理由を記載する必要があり、運営委託会社名義の理由書は無効とされます🙇♂️
あわせて、職員マスタにキャリアアップ研修の修了証が登録されていない職員は加算Ⅱ(新加算3)の対象外と判定されますので、修了証の登録漏れはそのまま返還につながります。
③の経費内訳については、「雑費」「支払手数料」「地代家賃」「賃借料」の内訳をステータスタブの備考欄に回答するよう求められます。
弊社としましては、園の手元に総勘定元帳がなく、会計事務所さまから取り寄せるところで時間がかかる、というのが遅れる原因のほとんどです。
賃借料については、賃借料加算の申請額と損益計算書の計上額が違う場合に、その差額の内訳を聞かれます。
④の防犯・安全対策強化加算については、セコム・ALSOK・AEDなどの「支払いが確認できる通帳の写し1年分」と「月々の金額がわかる請求書や口座振替のご案内」を求められます。
年度途中で料金が変わっている場合はその通知書、4月分の引落しが抜けている場合はその追加提出、という具合に、ひとつ答えるとまた次の指摘が来る形になりやすい項目です。
ここから先は私の見立てですが、審査の重心は「書類が揃っているか」から「お金の流れを通帳で確認できるか」に移っている印象です。
実際に積立通帳、処遇改善の理由書、加算の支払証憑といった、資金の実態を証明する資料の指摘が増えております。
企業主導型保育事業をされている法人におかれましては、来年度の完了報告は、申請の段階で次の4つを先に揃えておくことをお勧めします。
①積立資産専用口座の通帳の写し3点セット(利息分は運営費口座へ戻して残高を一致させておく)
②処遇改善等加算の賃金改善額が基準額を下回る場合の理由書(公印入り)
③雑費・手数料・賃借料の内訳を書いた一覧(総勘定元帳から事前に抜き出しておく)
④防犯・安全対策強化加算の対象品目ごとの通帳写し1年分と請求書
この4つを申請と同時に添付しておけば、差戻しの7割は最初から防げる計算になります。
差戻しが来てから会計事務所さまに元帳を依頼し、法人の代表者に理由書の押印をもらい、通帳をコピーして、と動いていると、再申請の期限まで1週間しかない中で間に合わないことが普通に起きております。
来年度は、完了報告の時期に慌てるのではなく、年度末の3月に通帳と処遇改善の数字を確認して、先行して準備していきましょう。
弊社でも、関与先の園さまには年明けから順に、上記4点の事前チェックをご案内していきたいなと思います。
なお、2025年度の年度報告及び完了報告のマニュアルは、児童育成協会のポータルサイト「公金管理システムのご案内」のページで公開されておりますので、一度目を通されることをお勧めします。

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