平成30年度介護報酬改定に向けての訪問介護の動向

いよいよ平成30年4月の医療・介護報酬同時改定が迫ってきています。(障害福祉サービスも改定があるので福祉サービス事業者にとっては節目ですね。)

この報酬改定に向けて分科会で協議が行われていますが、今日は特に訪問介護の資料についてじっくり読み込んでみたいと思います。

第142回 社会保障審議会 介護給付費分科会資料 訪問介護及び訪問入浴介護

まず7ページを見てみると、事業所数は増加の一途をたどっていますが、1事業所あたりの利用者数は若干減っています。

また14ページを見てみると、平成27年度以降は20分未満の身体介護中心型サービスが大きく増加してきており、平成27年度報酬改定の際の見直しの影響と住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の増加を感じさせる推移になっています。

そして30ページの内容を見ると、平成27年度報酬改定の影響で同一建物減算の算定事業所の割合がどっと増えたことが分かります。

この同一建物減算の話を中心に読み込んでみると、44~46ページの大阪府の実態調査結果の内容から、質の高いサービスが行われていない場合や必要以上のサービスが提供されている場合は基本報酬の減算措置も含めた介護報酬の適正化図ることを検討している様子が分かります。

住宅型有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅と訪問介護との区分については、人員配置の区分、会計の区分など全国各地で混乱も見られますが、こうした運営方法をしている事業者にとっては今度の30年度報酬改定は厳しい内容になる可能性があります。

以前にとある調査に立ち会ったことがあるのですが、なぜ特定施設入居者生活介護の指定を取らないのかと聞かれたことがあります。

まあ公募事業なので指定許可を得ることができないんですという思いだったのですが、特定施設が総量規制されていると余計に有料やサ高住を建てるしかないということになりますので、いっそのこと特定施設はもう少し指定を取りやすくしてもらえたらよかったのになあと思うこともあります。が、なかなか難しいんでしょうね。。

あと資料は40ページに戻ってしまうのですが、生活援助の見直しも検討されているようで、身体介護は訪問介護員が行い、生活援助は高齢のボランティアが行えるようにするなど、人員配置基準を緩和してはどうかという議論もなされているようです。

これに関しては反対意見も根強いですし、総合事業も始まっている中で生活援助もそちらへ寄せていくのだろうかという感じはあります。

社会保障費の抑制と言われてしまうとそれまでですが、年金の受給額が微減していったり、受給時期を遅れさせる動きがあったりする中で、資料の63ページにあるように65歳を超えても介護の現場で働きましょうという流れを見ていますと、個人的には少々ぞっとする面もあります。

資本主義社会で競争社会ですので、今の若い方たちは老後のことまで考えて日々戦っていかないといけませんね。

ただ、人材不足が加速し、一定の苦しい時期を超えると今度は高齢者が減り始め、そうなると施設も空き始めるでしょうし、一体日本はどうなるんだろうかと思います。

普通にサラリーマンとしてがんばって65歳または70歳まで働いても、年金額、預貯金額など十分無いと道に迷ってしまうのではとも思うので、何らかの投資などもしておかないといけないのでしょうか。

60歳になってからの年金以外の毎月の収入を得ることを考えておかないといけませんね。

話がだいぶ逸れてしまいましたが、人材も取りあいが始まっていますので、訪問介護事業所は福利厚生や労働環境の充実も図りつつ、サービスの質の向上も目指し、その結果として特定事業所加算をⅠでもⅡでもⅢ、Ⅳでも良いので算定できるように必死になって取り組んでいかないといけないだろうなと思います。


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