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4月, 2025の投稿を表示しています

障害福祉サービスの報酬適正化に関する考察

ここにきて財務省が障害福祉サービスの報酬の適正化について、指摘をしています。 「 財務省、障害福祉サービスの構造問題を提起 」 障害福祉サービスについては、マニアックなサービスで、全容がよく分からないという風潮があるかなと思いますが、実はよく考えて制度設計されております。 その中でも、ローカルルール、独特の加算制度の要件など、勉強熱心な方々からすれば、いくらでも改善の余地が見出せる状況のなか、いよいよ財務省も動きを強めています。 相対的にみれば、障害福祉サービスの予算の伸び率は顕著であり、なぜこうなっているのかという観点で、国は財務情報、収支差率のデータ収集からスタートしている訳です。 こうしたせめぎ合いについては、当たり前の事ではありますが、障害福祉サービスだけでなく、保育サービスの地域型保育事業の収支差率についても言及されており、誤解をおそれずにいえば、儲かっている事業はこれで、ここは予算を抑制して、全体のバランスをとりながら、基本的には抑えていくんだということが、国の予算設計の趣旨だと思います。 具体的な言及は差し控えますが、時すでに遅しではございますが、明らかに指摘されることに関していえば、やはり就労系サービスの就労移行支援体制加算や施設外就労、在宅支援サービスに関連する一連の制度に関することでしょう。 この加算制度等については、法律・基準は守っておりますが、とんでもない利益を叩き出していますという企業が複数存在することは事実であり、 令和7年3月31日付のQ&A を見ても、国の方は急いでルールを作ろうとしている思惑が見てとれます。 いつの世もいわゆるイタチごっこはある訳で、こうした制度に詳しいとバレますと、私どもには問い合わせが殺到する訳であります。 が、適正かつ適切、そして法令遵守をもとにして、ご利用者を最優先する考え方こそ、最も重要であると私は思います。 今の時代はAIが台頭し、ChatGPTに聞いてからコンサルに聞けば良いという方法が一番合理的で、そのうち私どもも事業に苦労する時代が訪れると思いますが、障害福祉サービスのフロンティアもそろそろ見えなくなると思われます。 私どもはいよいよ最新医療と地域福祉に目線を移して、実はすでに活動している訳でありますが、これもまたもって3年でしょう。 日本の医療福祉はまさに戦国時代だなと常々思います。

企業主導型保育事業のM&A(事業譲渡)について

令和6年度はここ最近で初めて、全国の保育施設数が減少に転じた年度でした。 今後、保育業界はどうなっていくのか、コロナの影響による子どもの出生数の減少の影響が大きく出ている地域もありますが、やはりM&Aや事業譲渡の案件が増えてくると考えられます。 その中で、企業主導型保育事業については、平成28年度に始まった事業ではありますが、毎年2回ほど不定期で行われる財産処分手続きにおける事業譲渡の手続きにて、実際に譲渡されるケースがあります。 弊社は毎年2、3件ほど事業譲渡を手掛けておりますが、国の補助事業として整備されている認可外保育施設ですので、特に 財産処分手続 については熟知しておく必要があります。 売主の気持ちはわかるのですが、いろいろ考え方もあるとは思いますが、補助事業である以上は、その場所で一定の役割を果たすことを期待されて補助されている訳であり、基本的に高く売るような事業ではないので、この 財産処分手続 についての理解をしておかないといけません。 弊社が今まで取り組んできたケースはだいたい以下のとおりですが、すべて無償譲渡ばかりです。 ① グループ再編によるグループ内での移管をするための事業譲渡 ② 本業に専念するための事業譲渡 ③ 採算が確保できないため経験のある企業への事業譲渡 やはりその地域の子どもとご家族のためにどうするのか、という視点が重要で、それを支えることができる企業が企業主導型保育事業を行うということが、大原則ではないかと考えます。

障害福祉人材確保・職場環境改善等事業補助金について

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令和7年度の処遇改善計画書の作成真っただ中の事業所も多いと思いますが、今回、この処遇改善計画書とともに、タイトルの「障害福祉人材確保・職場環境改善等事業補助金」の申請も併せて行う法人が多いと思います。 令和6年度までは、介護保険サービスと障害福祉サービスとで「職場環境等要件」を満たしている項目数の必要数に差がありましたが、令和7年度からは同等になりますね。 特に6項目のうち「生産性向上のための取組」の項目については、必須項目が存在すること(介護保険サービスと障害福祉サービスとで微妙に異なります)や、この項目だけ3以上の取組が必要になることなど、注意が必要です。 今回、令和7年度の処遇改善計画書を作成するにあたって、この職場環境等要件を満たせず、処遇改善加算ⅠやⅡが算定できなくてⅢやⅣに落ちてしまう事業所が続出するのではないかと心配しておりましたが、タイトルの「障害福祉人材確保・職場環境改善等事業補助金」を申請することによって、令和7年度中の職場環境等要件の適用が猶予されるようです。 1年間かけて、職場環境等要件についての取組を行うことができますので、その点は一安心です。 とにかく現場の課題の見える化だけは必ず取り組んでいくとよいですね。