投稿

7月, 2017の投稿を表示しています

サービス管理責任者の兼務可能な範囲について

さて、今日は障害福祉サービス事業の展開を考えるにあたり、グループホームのサービス管理責任者が他の事業所のサービス管理責任者も兼ねられないかというご相談がありました。 サービス管理責任者の兼務範囲を考える際には、私は名古屋市のこの「 兼務可否判定図 」等を参考にしています。 結論からお伝えすると、多機能型事業所の組み合わせができない事業同士のサービス管理責任者の兼務は無理、それ以外の組み合わせに関しては、最新ハンドブック(「 障害福祉サービス 報酬の解釈 」)の79ページにある基準第78条第1項第3号のところの解釈通知を読み込む等、可能な組み合わせを調べた上で管轄行政に相談して進めると良いと思います。 特に日中活動系とグループホームのサービス管理責任者が兼務可能であることに関しては自治体によっては混乱もあるようなので、必ず事前に確認してから進めた方が良いですね。 ただし、グループホームの定員が20名以上になってくると、サービス管理責任者はできれば専従にするようにという取扱いもあることから、結局は日中活動系とグループホーム定員10名等との組み合わせなら、仕事に支障が出なければ兼務は可能ということになってきますね。 この場合、日中活動系が例えば単独型の生活介護だと定員20名からだと思いますが、仮にこの生活介護のサービス管理責任者が定員10名のグループホームのサービス管理責任者を兼務する場合、生活介護の報酬単価が下がってしまうのではという懸念もあるのではないでしょうか? この点も確認してみたら、生活介護は定員20名以下の区分の報酬単価で請求すればよいことと、グループホームも生活介護との兼務を理由とした大規模住居減算はしないということは確認が取れました。 しかしこのあたりも地域によっては混乱もあるかもしれませんので、事前に照会して進めるべきでしょうね。 障害福祉サービスはなかなか複雑で難しいです。

社会福祉法改正と情報公開について

本日は社会福祉法人さまから、情報公開をするにあたって何を参考にすれば良いかとのご相談がありました。 私は社会福祉法改正に関する情報については、厚生労働省のホームページもチェックはしているのですが、 埼玉県のホームページ にアップされている 手引書 や書籍「社会福祉法人制度改革の解説と実務(ぎょうせい)」を参考にしています。 社会福祉法改正によって情報公開が必要となった事項については、 埼玉県の手引書 48ページ(PDFだと51ページ)の「ウ 公表」が参考になります。 ちなみに「ウ 公表」のところに「省令第2条の41で定める事項」とありますが、これも 同じ手引書 の46ページ(PDFだと49ページ)に記載がありますので、確認してから取り組むと良いです。 社会福祉充実残額の算定の根拠なども該当するようなので、結局は現況報告書や社会福祉充実残額算定シートなどをアップすれば良いのかなという印象は受けますね。 特に役員報酬の支給基準に関しては地域によって違いがありそうですので、費用弁償しかしてこなかったような社会福祉法人にとっては判断に迷いそうな気がします。 今回の社会福祉法改正を機に、社会福祉法人も公益法人の基準等に近づいていくのではという声もありますが、役員報酬に関しては公表されることもあり、その法人に対する印象という意味では、あまり高額な報酬基準を策定して法人内で承認をしていると、ご利用者や保護者、関係者に対するイメージダウンにもつながりかねないのではないかと思います。 今後の動きには注目をしたいと思います。

放課後等デイサービスの総量規制など(障害者部会資料)

平成29年6月26日の障害者部会資料 が厚労省のホームページにアップされています。 障害福祉サービスの関係者は一通り読んでおいたほうがよいかと思いますが、たくさんある資料の中で、児童発達支援や放課後等デイサービスの総量規制について書かれている資料があります。 こちらの 資料1 の19ページ「障害児通所支援の指定(総量規制)についての検討事項というページが該当部分で、具体的内容のところにはっきりと児童発達支援及び放課後等デイサービスを総量規制すると書いてあります。 総量規制ということは、基本的には公募制になるという意味でよろしいかと思います。 公募制ということは、市町村が公募しない限りは指定申請ができないということです。 市町村が公募するケースは、市町村の障害福祉計画において不足しているサービスがあるので市町村として必要だと考えるという場合です。 つまり、平成30年4月以降は児童発達支援や放課後等デイサービスを開業したくても公募がないと開業できなくなるということです。 介護保険サービスですと、特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)や介護老人保健施設(老健)、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)、認知症対応型通所介護、特定入居者生活介護、小規模多機能型居宅介護(看護小規模多機能型居宅介護含む)、定期巡回・随時対応型訪問介護看護などが主に公募事業とされます。 ※地域密着型サービスは市町村公募、それ以外は都道府県単位の公募になります。 児童福祉サービスでいえば、認可保育所は公募事業でしょう。 特に特養は社会福祉法人しか開設できませんし、老健の管理者は医師でないといけません。 児童発達支援や放課後等デイサービスも、こうしたいわゆる参入ハードルが高いサービスになるかと考えます。 それと、就労継続支援A型事業に関しても、こちらの 資料6 の4ページに「障害福祉計画に定めるサービスの必要な量に達している場合等は、新規指定をしないことが可能」と書かれています。 総量規制という書き方がされておらず、必要な量に達している場合「等」という表現になっていて「等」の意味がなんとなく曖昧であるところ等気になる部分はありますが、このところ廃業する就労継続支援A型事業所も出てきていることから、行政も対応が難しいだろうと思います。 その他にも

サービス管理責任者研修の申込開始(岐阜県)

今年も 岐阜県のサービス管理責任者研修 の申込ができるようになりました。 申込期限は平成29年8月7日なので忘れないようにご注意ください。 毎年、申込するのを忘れてしまったので何とかならないかというご相談を受けますので、岐阜県の方はできるだけ岐阜県で受講できるよう早めに手続きをしておくと良いです。 たとえ忘れても、他の都道府県で受講できることはあるのですが、毎年少しずつ受講する方が増えているので、昔のように申し込めばほぼ受講できるというような感覚でいると本当に受講できないので気をつけて下さい。 研修の内容は概ね昨年度と変わらないのかなと思いますが、事前課題など業務経験が豊富でないと難しくなってきています。 あと、相談支援従事者初任者研修も修了しないとサービス管理責任者として配置できないのでこの点も注意してください。 ちなみに岐阜県は今年度の相談支援従事者初任者研修は申込終了してしまっているので、今年度中に修了したい場合は他の都道府県で受講するしかありません。 昨年度は岐阜県は相談支援従事者初任者研修が年に2回行われたのですが、今年度は1回だけに戻っています。 しかし、就労継続支援A型や放課後等デイサービスが総量規制される動きになってきている中で、このサービス管理責任者の制度も今後どうなっていくのかなあと個人的には心配しております。

企業主導型保育事業の助成金申請

昨年度からどんどん整備が進んでいる企業主導型保育事業ですが、そもそも保育の会計を理解していないとこれから大変なことになるなあと思っております。 認可保育所の会計に携わったことがある方なら分かるかと思いますが、認可保育所の場合は運営費の使途制限や弾力運用という制度があり、非常に厳格な会計をしています。 今回の企業主導型保育事業は認可外保育施設なので、本来なら認可保育所の会計は関係しないかなあと当初は思っていたのですが、その助成金額の高さ等の要因から、結局社会福祉法人会計基準による帳票の作成を求められるのではないかという状況になってきています。 私がお手伝いした園に関しては助成金が余ったら返還、弾力運用はできないという堅い考えのもとで支援をしているのですが、もうすぐ国による指導監査(株式会社パソナに委託しているようですが)が始まるので、何か所か立ち会う予定ですので、現状など把握していきたいと思います。 さて、話は変わってしまいますが、今日の当会への相談事は、この企業主導型保育事業で定員を超えて児童を受け入れてはいけないですかというシンプルな内容でした。 そのため、企業主導型保育事業のポータルサイトの ここ にアップされている「助成申請、運営にあたっての留意事項」の「番号9」利用定員という項目をお知らせして対応しました。 ここには、利用定員を超えて児童を受け入れてはいけないということが書かれています。 ただ、この事業は非定型利用の児童も受け入れることが多く、契約児童数は定員数を超えてしまうケースも発生しているようです。 今回の助成制度を機に保育分野に参入される企業もかなり多いですが、非定型利用と一時預かりの違いがよく分かっていなかったり、そもそも利用者負担相当額の中に食費が入っていて、3歳児以上の主食代以外は徴収してはいけないこと、保護者に弁当を持ってこさせる対応がNGであること(企業主導型保育事業ではない認可外保育施設なら自由ですが)など、児童の食に対する考え方が不十分であるケースもあるようです。 整備費の申請から取り組む場合は、この食事に関してしっかりとした食育の方針などを考えてキッチンもしくは厨房の設計をしておかないと、満足な自園調理ができないようでは問題外ですので、食育、衛生管理といったところも重要だと思います。 介護施設の

共同生活援助の定員について

当会には毎日いろいろなご相談が寄せられるので、できれば頻繁にこのブログをアップして情報提供などをして、少しでもお役に立てればと思います。 今日は障害福祉サービスの共同生活援助(グループホーム)の1つの建物の最大定員に関するお話です。 普通に法令から判断しますと、新築の場合は建物一つの最大定員は10名であり、既存物件は最大20名まで、新築でも特別な場合は定員20名までに設定できたり、定員30名まで設定できたりします。 しかし、ユニットの定員が8名以上になると減算になりますし、サービス管理責任者1名あたり最大定員30名までという要件もありますので、例えば中古物件ばかりで定員6名のグループホーム建物を5か所に点在させて展開するなど、減算されないようにバランスを取る方法を考える事業者の方が多いのではないでしょうか。 新築で定員10名とするなら、ユニットは2つに分けて5名ずつにするなど、減算されない方法で計画するかと思います。 もともと共同生活援助については、できる限り地域に溶け込むような設置の仕方をするべきという考えのもと、例えば民家を改装して定員4名のホームを5か所ほど点在させて展開をしたり、新築する場合でも定員5名のユニットを2つ設けるか、定員7名の1ユニットに短期入所を1名か2名定員で併設(併設型ショート)するなど、10名を超えるような大人数のホームは積極的には想定されていないのかなというように思います。 ただ、こうした定員設定をする際には、やはり根拠法令や根拠とする通知文書等が存在しますので、一通りご紹介いたします。 ●平成25年9月24日 社会保障審議会障害者部会(第51回) 資料3 17~19ページ  特に19ページの図が分かりやすいですね。  地域に点在しているのが本来の形であり、公道を挟んでいる場合なら近接地ということでOKという解釈のようです。  ただ、同一敷地内の場合は各自治体に確認、同一建物の場合は出入口を別々にしてもダメというような状況です。 ●平成26年3月31日 障発0331第51号 別紙2    この144ページ 第十三の2(3)の①から⑤を読み込むと全て書いてありますが、①の文中に「基準第210条第4項及び第5項に規定する・・・」とあるので、これも合わせて見ていきましょう。 ●平成18年9月
当研究会は、福祉分野の事業における情報交流を通じて、福祉サービス事業者と福祉サービスを必要とする方々がつながるきっかけ作りに貢献し、それによって一人でも多くの方の助けになることができればという趣旨のもとで運営をして参ります。 福祉分野は大別すると以下の4種類になるかと思います。 ① 老人福祉(施設や介護保険サービス等) ② 障害者福祉(障害福祉サービス等。児童、大人両方とも。) ③ 児童福祉(認可保育所、認可外保育施設、認定こども園等) ④ 生活保護(①から③と重複する事柄もあり) これらの分野における事業者、サービス事業所の関係者の方々や、ご利用者やそのご家族等、どなたでもご参加いただければと思います。 福祉関連の法令は変化に富んでおり、どうしても法令に関するご相談、お悩みが多いので、この研究会のブログでこうした法令に関する情報交流もできれば、会員の皆様のために少しでもお力になれるのではないかと考えております。 また、社会福祉法人やNPO法人に関する法令に関しても情報交流できればと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 感謝 福祉の経営研究会 会長 安藤 大輔